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史跡 · Sheki

シェキの見どころ:世界遺産の旧市街、城塞、キャラバンサライ

Sheki · バクーからM2経由で約4時間30分

執筆:Emin Abdulalimov

シェキ(Şəki。シャキとも表記)は、アゼルバイジャン北西部、大コーカサス山脈の南麓にある絹交易の古い町で、バクーからはシャマフ経由で約300km、より速いM2経由では約360kmの距離にあります。ユハル・バシュ地区の旧市街、城塞、キャラバンサライ、そしてハン宮殿(ハーン宮殿とも表記)は、2019年に「シェキ歴史地区」としてユネスコ世界遺産に登録されました。1968年までヌハと呼ばれていた町で、18世紀の洪水のあとに計画的な庭園都市として建て直されています。

コーカサスの山裾に広がる、石造りのシェキ旧市街
Photo: Azeri, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
基本情報
地域
Sheki
バクーから
300 km · M2経由で約4時間30分
登録状況
ユネスコ世界遺産 (2019)
ベストシーズン
春の終わりから秋
所要時間
半日
入場
旧市街と城門は無料です。城壁の内側で有料なのはハン宮殿だけで、2026年1月1日から外国人おとなは15マナト。iTicket.azまたは宮殿の窓口で購入します。
開館時間
旧市街は人が住む地区で、門も開閉時間もありません。内側のハン宮殿は毎日9:00から19:00の日付指定券を販売しています。
見どころ
  • 石畳の路地と商家が並ぶ、城壁に囲まれたユハル・バシュ地区の旧市街
  • ハン宮殿を囲む18世紀半ばの城壁と城門
  • 中に入ることも、泊まることもできる18世紀のキャラバンサライ
  • シェベケの色ガラスと絹織物の職人工房
  • シェキ・ハルヴァと古いバザール
  • 城壁の内側でお金がかかるのは宮殿だけ、という費用の構造

シェキは、北へ向かう長い移動に見合う町です。大コーカサス山脈の南麓の高いところにあり、バクーから遠いぶん日帰りの人出がまばらになります。旧市街には、シルクロードで稼いだ町にしかない、ゆっくりとした生活の気配が残っています。歩く範囲のほとんどは無料で、城壁の内側で入場料がかかるのはハン宮殿だけです。その宮殿は2026年1月1日から、外国人おとなの料金が9マナトから15マナトに上がりました。ここでは何を見るか、いくらかかるか、どう行くか、どれだけ時間を取るかをご説明します。

シェキは何で知られていますか

絹、そしてユネスコの登録です。シェキはアゼルバイジャン北西部を通る交易路上で絹生産の主要な中心地となり、その富が、いま旧市街を埋めている商家、モスク、キャラバンサライの建設費になりました。2019年、ユネスコは「シェキ歴史地区とハーン宮殿」を世界遺産に登録しています。菓子のシェキ・ハルヴァもこの町の名を冠しています。

登録が決まったのは、バクーで開かれた第43回世界遺産委員会です。登録基準は(ii)と(v)で、計画的に造られた旧市街と、その中心に建つ彩色された宮殿をひとつの資産として扱います。当サイトで旧市街のページと宮殿のページが互いを参照し続けているのは、そもそも登録がその二つを分けていないからです。

なお、いま日本からシェキについてのお問い合わせが増えているもう一つの理由は『VIVANT』です。誰がどの場所をどのような根拠で挙げているのかは、このページの後半にまとめています。

旧市街に入るのに入場料はかかりますか

かかりません。ユハル・バシュは人が住んでいる歴史地区であって、門で仕切られた有料施設ではありません。城門も無料で通れます。城壁の内側で有料なのはハン宮殿(英語)だけで、2026年1月1日から外国人おとなは15マナトです。職人の工房も、バザールも、路地そのものも無料です。

対象2026年8月時点で公表されている内容
ユハル・バシュ旧市街と路地無料。人が住む地区で、門はありません
城壁と城門通行は無料
ハン宮殿外国人おとな15マナト。毎日9:00〜19:00。iTicket.azまたは窓口
上のキャラバンサライ営業中のホテル。中庭には入れます。料金の公表なし
下のキャラバンサライ修復のため閉鎖と伝えられ、再開日の公表なし
キシュ教会(北へ約15分)外国人おとな15マナト。毎日9:00〜19:00

この表のうち二行が今年変わりました。ハン宮殿とキシュ教会は、2026年1月1日から外国人料金が9マナトから15マナトになっています。アテシュギャーフ、ヤナルダグ、ディリ・ババを値上げしたのと同じ国家観光庁の決定によるもので、地元料金は据え置きです。旅行系のページの多くは、いまも「9マナト」のままです。

旧市街はなぜ計画的な「庭園都市」なのですか

18世紀の洪水で以前の集落が被害を受けたあと、シェキはより高い土地に、意図をもった配置で建て直されました。この整った計画は、ユネスコが評価した理由のひとつです。そうしてできたのがユハル・バシュ地区で、城壁に囲まれた区画のなかを石畳の路地が抜け、煉瓦と川石の家、ハマム、小さなモスクが斜面を登っていきます。

この町は1968年までヌハという名でした。同じ年にシェキへ戻ったため、古い地図や書籍ではいまも前の名前が使われています。古写真を探すときは「ヌハ(Nukha)」で検索してください。

城塞とは何で、宮殿とはどういう関係ですか

城塞は、町の上手を囲む城壁の区画で、18世紀半ばにハジ・チェレビ・ハンのもとで築かれました。シェキ・ハン宮殿(英語)はその内側に建つ建物であって、城壁そのものではありません。城壁の周囲はおよそ1.3km、塔は21基前後と伝えられていますが、正確な数字は部分的にしか確認されていません。

門の内側には宮殿、モスク、そして古いプラタナスの立つ敷地があり、いずれも歩いて回れる範囲です。お金がかかるのは、宮殿の扉の手前まで来てからです。

キャラバンサライは二つとも入れますか

入れるのは一方だけです。シェキにはアフンドザデ通りに18世紀のキャラバンサライが二つ残っています。トビリシとバクーのあいだを行き来する商人のために建てられたものです。上のキャラバンサライはホテルとして営業しており、アーケードに囲まれた中庭には歩いて入れます。下のほうは修復のため閉鎖と伝えられ、再開の日付はどこにも公表されていません。

この差は行程を組むうえで効いてきます。二棟とも国の入場券の一覧に載っていないため、開館時間も料金も誰も公表しておらず、日程表に「下のキャラバンサライ」と書いてある団体は工事の囲いの前に着くことになります。当社は上の中庭でお茶の時間を取り、下は外観の写真として扱っています。

シェキ・ハルヴァは、ご存じのハルヴァと同じものですか

違います。この誤解のせいで、よい菓子を素通りする方がいます。シェキ・ハルヴァはゴマのペーストではありません。米粉の細い糸を格子状に重ね、砕いたナッツの餡をはさんで焼き、サフランで色をつけたシロップを含ませて、菱形に切ったものです。バザールでは焼きたてを切り分けて売っています。

温かいうちにその場で召し上がってください。4時間かけてバクーへ持ち帰っても、同じものにはなりません。同じ路地には、シェベケの色ガラスや絹織物など、土地の手仕事を続けている工房もあります。

バクーからの行き方と、必要な時間

道は二本あり、短いほうが遅く着きます。M2は約360kmで、およそ4時間30分。シャマフとガバラを通る道は約304kmと短いものの5時間近くかかり、こちらにはディリ・ババとシャマフがあります。町には宮殿、城塞、旧市街で半日、キシュを足すなら1泊して丸一日を見てください。

上の基礎データを含め、あちこちで書かれている「300km」は二本目の道の数字です。地図では短く、車では長い、という関係になります。当社は西行きに寄り道の多いこちらを使い、帰りはM2で早く戻します。アゼルバイジャン6日間文化ツアー(英語)もその組み方です。いちばん過ごしやすいのは春の終わりから秋で、雪どけのあとは斜面の緑がもっとも濃くなります。

旧市街を歩くのに向いた時間帯はいつですか

朝いちばんです。城塞の上手の路地は住宅地で、7時から9時のあいだはほぼ独り占めになり、光も斜面に沿って入ってきます。宮殿は9:00に開き、バクーやガバラからの団体バスは11時から14時のあいだに町へ着きます。この一時間の差が、壁を読むか、壁の前で並ぶかを決めます。

シェキと合わせやすい場所

北へ少し走ったキシュ教会(英語)は、古代コーカサス・アルバニアにつながる小さな石の教会で、毎日9:00から19:00まで開いています。隣のオグズ地区にはハルハル滝(英語)があります。ハルハル滝はネット上でガフ地区やザガタラ地区に置かれていることがよくありますが、正しくはオグズ地区で、料金も開設時間も公的な公表はありません。

シェキと『VIVANT』

シェキは、2025年11月にバクー・メディア・センターが撮影終了時に公表した『VIVANT』シーズン2の撮影8地域のひとつです。公表されたのは地域名のみで、シェキのどの建物で撮影がおこなわれたのかは示されていません。阪急交通社の日本語の行程表はこの歴史地区を6か所の「ロケ地」のひとつに数えていますが、この区分は同社の判断によるものです。

どの場所を誰がどのような根拠で挙げているのかは『VIVANT』ロケ地のページに、8地域の位置関係と距離は撮影8地域の地図に、8地域すべてを回る行程はVIVANT アゼルバイジャン・グランドツアー 10日間にまとめています。

おすすめしないこと

二つあります。ひとつ、バクーからの日帰りは避けてください。半日の町のために車で9時間を使うと、団体バスと同じ時間帯に旧市街へ入ることになり、宮殿ではなく宮殿の列を見ることになります。ふたつ、下のキャラバンサライを日程に入れないでください。ネットで見つけたキャラバンサライの「開館時間」を前提に組むのも同じ理由で危険です。公的に時間を出している主体が存在しません。

宮殿そのものを詳しく知りたい方、つまり料金、開館時間、館内撮影の扱い、シェベケとは何かを確認したい方は、シェキ・ハン宮殿(英語)のページをご覧ください。

ギャラリー
シェキのキャラバンサライの、石のアーチ門の前に立つ見学者
Photo: Matti Blume, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
アゼルバイジャン、シェキの上のキャラバンサライ
Photo: Fanti Salms, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
シェキの上のキャラバンサライ
Photo: Ludvig14, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
よくある質問
シェキは何で知られていますか。
世界遺産に登録された旧市街と、シェベケの色ガラスをもつシェキ・ハン宮殿(ハーン宮殿とも表記)で知られています。シルクロードにおける絹交易の主要な中心地であり、ナッツを幾層にも重ねた菓子シェキ・ハルヴァの名もこの町に由来します。18世紀のキャラバンサライと職人の工房が、そこに加わります。
シェキの旧市街に入るのに入場料はかかりますか。
かかりません。ユハル・バシュは人が住んでいる歴史地区で、門で仕切られた有料施設ではなく、城門も無料で通れます。城壁の内側で有料なのはハン宮殿だけで、2026年1月1日から外国人おとなは15マナトです。路地もバザールも職人の工房も、費用はかかりません。
バクーからシェキへはどうやって行きますか。
道は二本あります。M2は約360kmで、およそ4時間30分。シャマフとガバラを通る道は約304kmと短いものの5時間近くかかり、こちらにはディリ・ババとシャマフがあります。鉄道と都市間バスもありますが、この道は寄り道の余地を残した一日にする値打ちがあり、それができるのは車です。
シェキには何日必要ですか。
半日でハン宮殿、城塞、旧市街は回れます。丸一日あればキシュ村とキャラバンサライでの昼食を加えられ、1泊すれば速度を落としてバザールまで見られます。多くの行程は、西へ向かう前にシェキで1泊を取ります。
シェキではどこに泊まるのがよいですか。
際立っているのは、現在ホテルとして使われている18世紀のユハル(上)・キャラバンサライです。客室はアーケードに囲まれた中庭に面しており、その中庭にはかつて商人のらくだがつながれていました。料金と空室状況は直接ご確認ください。旧市街には、宮殿から歩ける範囲にゲストハウスや小規模なホテルもあります。
キャラバンサライは二つとも見学できますか。
見学できるのは一方だけです。アフンドザデ通りの上(ユハル)のキャラバンサライはホテルとして営業しており、中庭には入れます。下(アシャグ)は修復のため閉鎖と伝えられ、再開の日付は公表されていません。どちらの建物についても、公的機関は開館時間も入場料も公表していません。
シェキ・ハルヴァは何でできていますか。
ゴマのペーストではありません。米粉の細い糸を格子状に重ね、砕いたナッツの餡をはさんで焼き、サフランで色をつけたシロップを含ませて菱形に切ったものです。中東のタヒニ・ハルヴァとは別の菓子で、バザールでは焼きたてを切り分けて売っています。
宮殿のほかに、シェキには何がありますか。
たくさんあります。城壁、キャラバンサライ、中心部のジュマ・モスク、バザール、そしてシェベケと絹織物の職人工房が、いずれも旧市街の中かすぐ近くにあります。周辺では、北へ約15分のキシュ教会と、オグズ地区のハルハル滝を加えられます。
シェキは訪れる値打ちがありますか。
あります。世界遺産の旧市街、ハン宮殿、いまも続く手仕事、そして山あいの景色がそろっており、バクーの外ではもっとも見ごたえのある町のひとつです。移動が長いぶん日帰りの方が減り、その分だけ首都より静かです。キシュとシェキ地方を合わせれば、2日間の周回になります。
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